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慶事や弔事の場面での忌み言葉とは

日本語独特の風習である「忌み言葉」

世界一習得が難しいと言われている日本語ですが、その中でもとりわけ特殊な位置づけになっているのが「忌み言葉」です。

「忌み言葉」とは、お祝いの席や葬儀の席において口にしてはいけない不吉な意味を含んだ言葉のことで、あらかじめNGワードとしていくつかの言葉が定められています。

直接縁起の悪い意味で発した言葉でなくとも、その単語の持つニュアンスが場の雰囲気に対して縁起の悪いものであるというだけで禁忌になるため、長く日本で生活をしている人であってもうっかり口にしてしまうこともあります。

もともと神道においては「死」は不浄なものとされており、それに近づくことは禁忌とされ、できるだけ身の回りから遠ざけるという風習がありました。

そのため忌み言葉として「死」や「血」といったものを連想させるものは全般的にNGとなっています。

また私達が普段使用している慣用句の中には、仏教用語が由来しているものが多く含まれています。
伊勢神宮の斎宮ではそうした仏教由来の言葉を避けるようにしているなど、場所や地域によって忌み言葉が変化する場合もあるのです。

社会人として生活をしていると葬儀のときの挨拶や結婚式のスピーチなど、フォーマルな場所での発言が求められるようになりますので、基本的な忌み言葉はしっかり理解しておくようにしましょう。

お悔やみやお祝いの手紙を書くときも同様で、何度も文章を推敲して忌み言葉を完全になくした状態で送付するようにしましょう。

具体的な忌み言葉の例とは

忌み言葉は冠婚葬祭など、どういった場面かによって少しずつ違ってきます。
例えば結婚式での忌み言葉となるのは「別れる」「切れる」「離れる」といったような離別を意味するものが多く、他にも「破れる」「終わる」「割れる」といった言葉は使ってはいけません。

昔から良く知られてきた忌み言葉として受験を控えた人へのものがあります。
「落ちる」「転ぶ」「滑る」「散る」といった言葉は使ってはならず、贈り物としてもこれらを連想するものを使ってはいけない事になっています。

結婚式の場合には結婚祝いやその後の出産祝いとして贈り物をすることもよくありますが、その時には忌み言葉同様に壊れ物や刃物などを使用してはいけません。

葬儀の席や病気のときの忌み言葉として「重ねる」「度々」「再び」といったようなことがあります。
二連言葉となる「重ね重ね」のような言葉も、全般的に不幸が重なることを意味してしまいますので、使わないようにしましょう。

また葬儀の時に注意をしたいのが、お悔やみで使用される言葉が宗教によって異なるということです。
例えば「ご冥福」という言葉は、亡くなった人が冥界を渡って仏様のもとにゆくという意味の仏教用語なので、キリスト教や神式では用いられません。

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